1月23日(火) Hou Boernehave (ホウ 幼稚園) 9時〜12時
デンマークの幼稚園は、日本の幼稚園とどのように違うのか。ソーシャルラインの授業で、エグモントから歩いて10分の場所にあるHou Boernehaveで話を聞いてきたので、どうぞご覧ください。
定員数 61人(55±6人)
職員数 13〜14人(半分が保育士資格あり)
市営の保育所(3歳以上の子供全員に提供)月〜木 6時30分 〜 17時00分
金 6時30分 〜 15時30分
(朝早くから始まっている!基本的に時間内で終わる。)
定員は、MAX61人で、今61人が通っている。その後の希望者には、odderの保育所(houの人はみんな同じ場所)を紹介し、空席ができたら連絡する。来る時間や帰る時間は、幼稚園側ではなくて親側が決め、週に51時間。その他、1年の間に4週間の休暇が子供に与えられている。なんでも会社には5週間の休みがあるので、子供にも休暇が必要という考えかららしい。
職員側が提案するものと子供達が希望するものどちらも価値があると思っているので、子供達は一日のうちでいろいろなアクティビティを自分達で選ぶことができる。それは、子供が全部決めているということを意味しているのではないので、できない場合もある。その場合には、ただできないというだけではなく、できない理由と、もし他の時にできるのだったら、いつやるかということを伝えるのだそうだ。幼稚園は2階建てで、大きな家のような造りになっていて、場所ごとに遊ぶもの(絵を描く場所や靴を脱いで遊ぶ場所、ゲームをする場所、衣装を着る場所など)が用意されている。教室毎に決められた遊びをするのとは違って、建物中を自由に動き回って元気に遊んでいる姿を見ていると、子供達が大変生き生きしているように感じられる。
私たちが話を聞いていた時、カード遊びをしていた子供達が、遊び終わった後、自主的に片付けを始めた。幼稚園では、勉強の能力ではなく、社会性を身につけることを重視していて、後片付けの徹底も社会性を養う一つの方法なのだそうだ。もし、そのまま行ってしまっても代わりに片付けることはしないで、その子供を見つけて来て一緒に片付けるという。そこから子供達は、片付けることを学ぶのだという。
日本の幼稚園制度と明らかに違うと感じた点は、卒園が年齢ではなく、社会性という観点から判断されるということである。具体的には、小学校と密接な関係を持っていて、子供が学童期になると学校に行くに足りる社会性が育ったかどうかを話合いをして(学力では決めていない)、社会性が育っていないと判断した場合は、もう1年学校に行くのを待つこともあるらしい。
ここで大事なことは、あまり早くいかせない(無理しない)ということだそうだ。最終的に学校へ行くかどうかを決めるのは、親なので強制はできないが、社会性が育ってから学校へ行った方が、後になって良い結果をもたらすことが多いそうである。ただし、長女や長男だと親が無理して学校へ行かせる場合が多く、良い結果にならなくて、次男、次女になると、今度は親も無理はさせることはなくなるらしい。
社会性についてのQ&A (みわの質問より)
Q1:日本では社会性を育てるのが難しくなっていると言われているが、デンマークでも同様の傾向か。
A:年によっても異なるが、1/3から1/4の子供がもう1年幼稚園に残るなど、デンマークでも社会性のない子供が増えて来ている。いろいろなことに成果をださなくてはいけないという、現代社会のプレッシャーが多いことも関係している。
Q2:社会性を育てるために具体的にどのようなことをするのか。
A: 子供達と遊びを通して話すことをしている。例えば、1人の子供が他の子を叩いたとする。ただ単叩いたらダメと叱るのではなく、叩かれた人はどう思うかということを考えさせる。他の人の立場になって考えることが大事。自分達で解決できるように手助けをする。
もう1年残るということに対してのQ&A (せいこの質問より)
Q: もう1年残る子供に対して、特別な取り組みはしているか ?また、2年はいられるか?A: 特にしていないが、できる場合もある。残る期間は1年。ただし、学校に下の子クラスというのがあるので、そこに入るなどで、対応可能である。学校には、その年に5歳になった時に入学でき、学校には8歳までになるまで入学する。
また、入園前の3歳未満の子供についてもお母さん達と連係をして、職員や場所に慣れるために、個人保育の時から幼稚園へ遊びに来ることも可能だということである。
子供達は職員のことをファーストネームで呼ぶ。これは、私たちの学校でも同様なので、きっとデンマーク中の学校で、先生と生徒とは、互いにファーストネームで呼んでいるのではないかと思われる。同じ視点でものを見て、考えようというデンマークの考えが名前の呼び方にも現れているような気がして、私は大変良いと感じた。
食事について
朝食を食べていない子供は朝食をとる。
昼食は家からお弁当を持参する。グループに別れて皿やカップを並べて、みんなで昼食を食べる。(写真左は、幼稚園の冷蔵庫で、みんなここに昼食を入れる。)
14時に保育所の方で用意したおやつを出す。(パン、にんじん、フルーツなど)
お金について
月に1562Kr(ただし、7月は、夏休みでほとんど通う時がないので無料。)
個人保育2082Kr
子供が2人いて、下の子が個人保育だと上の子の分は半額になる。
このお金は、個人負担が1/3。残りは、公的機関(市)が負担している。
ハンディキャップ児も受け入れる。子供の障害が大きくなると、(ここでは無理なので、)他を紹介する。もし子供が何らかの問題を抱えていたら、親と行政機関に通告する義務がある。